大規模修繕で重要なコーキング~劣化を放置するリスクや工事の必要性を解説~
- 大規模修繕についてのお役立ちコラム
大規模修繕で重要なコーキング~劣化を放置するリスクや工事の必要性を解説~
アパートやマンションの大規模修繕工事では、外壁塗装や防水工事を重要視して考えられる方が多いかと思います。
大規模修繕において美観にも関わる大事な部分なので間違いではありません。
ですが、外壁塗装や防水工事と同じくらい大切で、建物の寿命を左右する程重要な部分があります。
それが「コーキング工事(シーリング工事)」です。
コーキングは、外壁の継ぎ目やサッシ廻りなどに充填されているゴム状の材料です。
主に建物内部への水の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。
普段はあまり目立たない部分でもあるため、外壁塗装や防水工事に比べて重要性が充分に認識されていないケースも少なくありません。
しかし、紫外線や雨風の影響を受け続けると徐々に劣化し、ひび割れや剥がれなどの劣化症状が見られます。
小さい部分だからといって劣化をそのまま放置してしまうと、雨漏りや外壁内部の腐食など建物全体の寿命低下につながる恐れもあります。
特にマンションやビルで採用されることの多いALC板やRC造の建物ではコーキングの状態が建物の防水性や耐久性に大きく影響します。
そのため大規模修繕では欠かせない工事の1つです。
今回は、大規模修繕におけるコーキング工事の重要性や劣化症状、工事内容などについて分かりやすくお話していきます(`・ω・´)!
ぜひ最後までご覧ください(^^)/
★コーキング(シーリング)とは?
そもそもコーキング(シーリング)とは?
コーキングとは、建物の外壁の継ぎ目や窓サッシ廻りなどにゴム状の専用材料を充填し、雨水の侵入を防ぎ、防水性を確保するための工事のことです。
「コーキング」「シーリング」と呼び方が違うことがありますが、基本的には同じ意味で使われています。
*コーキング(シーリング)の主な施工場所*
・外壁材(サイディング・RC造・ALCなど)の継ぎ目
・ドア・窓サッシ廻り
・配管まわり
建物は気温変化や地震などの影響によよってわずかに動いてます。
コーキングはゴムのような弾力性があり、建物の動きに追従しながら隙間を保護し、外壁材のひび割れや雨水の侵入を防ぐ重要な役割があります。
特にALC外壁はパネル同士の継ぎ目が多いため、コーキングの防水性が非常に重要になります。
★大規模修繕でコーキングが重要な理由
✅雨水の侵入を防ぐ
上記にも記載してきましたが、コーキングの最大の役割は建物の防水性を保つことです。
コーキングが劣化し隙間が出来てそこから雨水が侵入してしまうと、
鉄筋のサビ・爆裂・外壁材の浮き・カビや腐食など建物全体の劣化に繋がります。
外壁内部の下地や鉄部などを傷めてしまうと、さらに大きい工事になり修繕費も高くなります。
特にアパートやマンションでは、雨漏りが発生すると入居者様トラブルにもつながため、早めのメンテナンスが重要です。
コーキングは目立たない部分ではありますが、建物を長持ちさせるために非常に需要な存在です。
✅外壁材の動きに対応するため
建物は季節による温度変化や、車が通る際の振動、地震の揺れなどによる影響で膨張・収縮を繰り返しています。
硬い材料だけではその動きに耐えられず外壁材が割れてしまうことがありますが、そこに弾力性のあるコーキング材がクッションの役割を果たすことで外壁材がひび割れるのを防ぎます。
【ALC外壁におけるコーキングの重要性】
ALC外壁は、軽量気泡コンクリートで作られたパネルを組み合わせて施工されている外壁です。
通常のコンクリートに比べて軽く、高い耐震性・耐火性・断熱性を備えています。


ALC外壁はパネルを組み合わせて施工されているため、外壁には数多くの継ぎ目が存在します。
これらの目地はコーキングによって防水性が保たれている為、コーキングが劣化すると雨水が建物内部へ侵入する原因となります。
ALC自体は耐火性や断熱性に優れた外壁材ですが、吸水性があるため防水性能の維持が非常に重要です。
【RC造建物におけるコーキングの重要性】
マンションやビルで多く採用されることの多いRC造建物(鉄筋コンクリート造)は、鉄筋で補強した型枠にコンクリートを流し込んで固めた建築構造です。
引っ張りに強い鉄筋と、圧縮に強いコンクリートを組み合わせることで、強固で耐久性に優れた建築です。


RC造建物では、打継ぎ目地・玄関ドア・窓サッシ廻りや配管廻りなどの防水上重要な箇所にコーキングが施行されています。
そのためコーキングが劣化すると目地やサッシ廻りから雨水が侵入する可能性があります。
侵入した雨水はすぐ雨漏りとして現れない場合もありますが、長期間にわたって建物内部へ浸透していきコンクリート内部の鉄筋腐食を引き起こす原因になります。
鉄筋が錆びてしまうと、鉄筋の体積が膨張し、その圧力によってコンクリートがひび割れたり剥がれ落ちたりする「爆裂」と呼ばれる劣化症状につながることもあります。
「爆裂」については、過去のコラム記事をご覧ください(^^)/
RC造建物は耐久性が高い構造ですが、その性能を長期間維持するにはコーキング部分のメンテナンスも欠かせません。
★コーキングの劣化症状
コーキングも永久的にもつものではありません。
一般的には10年前後で劣化が進むと言われています。
⚠以下の症状が見られたら注意が必要です⚠
⇩ ⇩ ⇩
・ひび割れ
コーキングの表面に細かい亀裂が入っている状態です。
劣化の初期症状ですが、この時点で防水性能は徐々に低下しています。
⚠症状例⚠



・肉痩せ
コーキングが痩せて細くなり、隙間が出来ている状態です。
⚠症状例⚠


・剥がれ・断裂
コーキングが剥がれてしまっていたり、途中で切れてしまっている状態です。
この状態になってしまうと雨水侵入のリスクがかなり高いです。
⚠症状例⚠


★コーキング打ち替え工事(RC造建物の工程)
コーキング工事の基本的な施工工程は祭で寝具・ALC外壁・RC造建物いずれも同じですが、建物の構造や施工箇所によって打ち替え工法や増し打ち工法を適切に判断し施工することが重要です。
また目地の形状や深さ、使用されているバックアップ材やボンドブレーカーの有無などによっても施工方法は異なります。
建物の状態を十分確認したうえで、適切な材料や工法を選定することがコーキングの性能を長期間維持するための重要なポイントです💡
今回はRC造建物の縦目地コーキング打ち替えの施工工程をご紹介します。
①既存コーキングの撤去
古く劣化したコーキングをカッターなどで丁寧に撤去していきます。
入隅部分など撤去が難しい部分は増し打ちを行うため撤去は行いません。

②清掃
既存コーキング撤去後、ゴミや汚れを除去します。

③コーキングプライマー塗布
コーキング材の密着性を高めるプライマーを塗布します。
増し打ちを行う場合は、既存のコーキングの上に塗布します。

④新しいコーキング材を充填
プライマーを塗布後、新しいコーキング材を打ち込みます。

⑤ヘラでならして仕上げる
コーキング材をヘラで均一にならし、防水性と見た目を整えます。

⑥コーキング完了

★打ち替えと増し打ちの違い
コーキング工事には、「打ち替え」と「増し打ち」の2種類の施工方法があります。
建物の構造や施工箇所によって、適した工法を選択することが重要です。
【打ち替え工事】
既存のコーキングを撤去し、新しいコーキング材を打ち込み直す工法です。
古いコーキング材を取り除いて施工するため、防水性能をしっかり確保しやすく耐久性が高いため、
外壁目地などの重要な部分では打ち替え工事が採用されることが多いです。
【増し打ち工法】
既存のコーキングの上から、新しいコーキング材を重ねて施工する工法です。
「簡易的な工事では?」と思われることもありますが、施工箇所によっては適した工法でもあります。
例えば...
・撤去によって防水性を損なう可能性がある箇所
・構造上、撤去が難しい部分
などでは、あえて増し打ちを行うケースもあります。
増し打ちでもしっかりと施工すれば防水性能を損なうことはありません。
建物の状況や部位に応じて、適切な施工方法を選ぶことが大切です。
★コーキング工事は大規模修繕において欠かせない重要な工事
コーキング工事は、アパート・マンションの大規模修繕工事の中でも、建物の防水性を維持するため欠かせない重要な工事です。
外壁の目地やサッシ廻りにあるコーキング材は、紫外線や雨風の影響を日々受けているため、約10年前後でひび割れや剥がれなどの劣化症状が発生しやすくなります。
これは大規模修繕工事の実施期間とも重なることから、コーキング工事も大規模修繕の一環として行われることが一般的です。
また、コーキング工事には高所作業を伴うため足場の設置が必要になるケースが多く、大規模修繕の際に同時に施工することで、足場の費用を効率的に抑えられるメリットもあります。
✅部分的な補修で対応するケースも
雨漏りが発生していたり緊急を要する場合など、建物の状況によっては部分的なコーキング補修を行うケースもあります。
しかし、コーキング全体が劣化している場合は、一部の劣化が激しい箇所のみ補修しても別の箇所から不具合が発生する可能性があるため注意が必要です。
★まとめ
ここまで読んでくださり有難うございます。
コーキング工事は、建物の防水性や耐久性を維持するために欠かせない重要な工事の1つです。
一見、細い目地やわずかな隙間に施工されている小さな部分に見られてしまいがちですが、劣化を放置すると雨漏りや内部腐食など大きなトラブルに繋がりかねない部分です。
アパート・マンション・ビルの大規模修繕では、外壁や屋上の状態だけでなく、コーキングの状態もしっかり確認し適切なタイミングでメンテナンスを行う事が重要です。
コーキングの劣化を放置してしまうと、雨漏りや建物内部の劣化に繋がる恐れがあるため、定期的な点検と計画的な修繕によって大切な資産である建物を長く良好な状態に保つことが大切です。








